Interview
Photographer 井上ユミコ × unoa Director 宇野澤
-Ballet×Fashion-

バレエとファッション。
その境界を越える、二人の視点。
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【出会い・第一印象】
Unosawa:
まずは出会いと第一印象から伺わせてください。unoaを知ったきっかけを教えていただけますか?
ユミコさん:
最初に宇野澤さんの存在を知り、「この方が手がけているブランドなんだ」と認識したのがきっかけです。
Unosawa:
ありがとうございます!私がきっかけだったんですね。
ユミコさん:
そうですね。
Unosawa:
撮影前、unoaのレオタードにはどんな印象をお持ちでしたか?
ユミコさん:
数あるレオタードブランドの中でも、いちばんおしゃれだなと思っていました。
レオタード自体のデザインはもちろん、ビジュアルの見せ方や世界観の作り方まで含めて、とても洗練されている印象でした。
Unosawa:
嬉しいです。そこは特にこだわっている部分なので。
ユミコさん:
すでに世界観が十分出来上がっているから、むしろ撮影私で大丈夫かな?と思っていました。
Unosawa:
世界観があるユミコさんだからこそ、お願いすることに少し躊躇したところもあって。
ユミコさん:
そうですよね。ぶつかるかもしれないし、違うかもしれないし。 でもそれも含めて面白いところだと思います。
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【ファッションとしてのunoa】
Unosawa:
広告やファッションの分野で活躍されてきたユミコさんから見て、unoaのレオタードはファッションとして、どのように映りますか?
ユミコさん:
まず、機能的で「きちんと踊れる」ことが前提にありながら、ダンサーの身体を美しく見せるカッティングにとてもこだわっていると感じます。
そのうえで、シアートップスのようなアイテムがとても印象的でした。シアーな素材でレオタードとのレイヤードを楽しめるデザインは、バレエならではの身体表現とすごく相性がいい。
“見せること”を前提にした発想が、ファッション的にもとても魅力的だと思います。
サブアイテムまで含めて、「感度の高い人が作っているブランド」だと感じていました。
Unosawa:
Arm foundationですね。ありがとうございます!バレエウェアと日常の境界を越えて、普段着としても着れるものを目指しているので、
そう感じていただけて嬉しいです。
ユミコさん:
私自身はすごくおしゃれをするタイプではないのですが、撮影では「どうすればダンサーをより魅力的に見せられるか」を常に考えています。
そういう視点で見ても、圧倒的におしゃれだと感じます。
今度ぜひ貸してください!
Unosawa:
ぜひ使ってください!
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【もし作品を撮るなら】
Unosawa:
もしunoaのレオタードを主役に作品を撮るとしたら、どんなイメージになりますか?
ユミコさん:
私はシンプルなものが好きなので、Arm foundationと無地のレオタードに、長いソックスやポワントを合わせた、
ミニマルなスタイリングで撮りたいです。
ダンサーにしかできない身体表現を、余計な要素を削ぎ落とした中で見せたい。
シンプルな背景で、その組み合わせはとても美しくなると思います。
Unosawa:
見てみたいです!
ユミコさん:
絶対に可愛いと思います。
実はこのアイデア、以前、ライブシューティングの時に考えていたんです。
スタイリングを考える中で、Arm foundationのようなアイテムがいいなと思ってチェックしていて。
普通のタートルニットも可愛いですが、ダンサーの撮影では、少し透けることで身体やラインが見える方が、彼らの魅力をより引き立てると思うんです。
Unosawa:
シアー感があることで、肌や筋肉のニュアンスが伝わりますよね。
ユミコさん:
今日もチュール越しに見える脚がとても美しくて。
そういう、フェティシズムを刺激するアイテムが多いと感じました。
作品撮りしますか?
Unosawa:
作品撮りしたいですね!
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【衣装の役割】
Unosawa:
ダンサーを撮影する際、衣装はどのような役割を持つと思いますか?
ユミコさん:
衣装は一つの「お題」だと思っています。
音楽と同じように、とても大きな要素です。
この衣装だからこう動いてみよう、というインスピレーションが生まれますし、ダンサーの身体能力やバレエで培った表現力と掛け合わさることで、
クラシックバレエのポーズ写真とはまた違う絵が生まれる。
ダンサーの新しい魅力を引き出す、大事な存在です。
Unosawa:
確かに、ライブシューティングでもそう感じました。
ユミコさん:
すごく大事です。
逆に、それがはまらないと少し迷宮入りしてしまうこともあります。衣装が難しくて、いい掛け算が生まれない場合もあって。
でも、見事にはまった時は本当に新しい一枚の美しい絵が撮れるんです!
Unosawa:
「BALLET TheNewClassic」の前回の佐々晴香さんのビジュアルも、今回の南江祐生さんのビジュアルも、とても印象的で好きでした。
デスクの壁に貼っています!
ユミコさん:
わー嬉しいです!
実はレオタード単体の写真は、世界中でたくさんのフォトグラファーが撮影しているので、ある意味で撮り尽くされたように感じてしまうことがあるんです。
だからこそ、そこにもう一つ要素を掛け合わせることが、わたしは好きなんだと思います。
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【今回の撮影について】
Unosawa:
今回の撮影はいかがでしたか?
ユミコさん:
まず、キャスティングが素晴らしかったです。
身長のバランスも、並んだ時の相性も良かった。
そして何より、二人の関係性がとても良かったですね。
ダンサーはいつも全力で応えてくれますが、宇野澤さんがその場でポーズをディレクションしていたことで、よりダンサーの表現が引き出されていると感じました。
Unosawa:
できていたか少し不安でしたが、そう言っていただけて安心しました。
ユミコさん:
しっかり伝わっていましたよ。
方向性が示されることで、ダンサーは迷わずそこに向かっていけるので。
撮影って、どこに行くか分からない余白の中で「こっちだ」と見えてくる瞬間が楽しいですよね!
Unosawa:
まさにその感覚でした。
ユミコさん:
あの二人が座った瞬間、あまりに可愛くて思わず息をのんでしまいました。
二人をカップルのように近づけて撮ったのは、メイクが可愛かったからこそ。「メイクを見せたい」というところから始まったんです。
いろんな要素が影響し合いながら進んでいく、とてもいい現場でした。
本当に大成功だったと思います。
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【印象に残った瞬間やカット】
Unosawa:
今回、特に印象に残った瞬間やカットがあれば教えてください。
ユミコさん:
どれも本当に可愛くて印象的だったのですが、やはり一番心に残っているのは、unoaとして初めてバレエポーズを取り入れた、というあのカットですね。
「これが初めてなんだ」と聞いて、印象に残っています。
Unosawa:
確かに、初めてでした。
ユミコさん:
おそらくこれまでは、ファッションとして見せるために、あえてバレエ的な要素を抑えていた部分もあったと思うんです。
それが今回、バレエポーズでありながらファッションとしても成立していた、というのが嬉しいなと。
Unosawa:
しかもとてもナチュラルに、ですよね。
ユミコさん:
そうなんです。
だからunoaのビジュアルとして「使える」ってことですよね。すごくないですか?!(笑)
バレエの動きをそのまま美しく、かつおしゃれに見せることができた。みんなで一つ越えた、という感覚がありました。
Unosawa:
あの瞬間はまさに「やった」という感じでした。
ユミコさん:
アリシアちゃんのポーズも本当に素敵でした。
おしゃれでありながら、しっかりバレエで、なおかつunoaの世界観にも馴染んでいる。そのバランスがとても印象的でした。
Unosawa:
すべてがマッチした瞬間でしたね。ありがとうございます。
ユミコさん:
はい、とても好きなカットです。
あと、海斗くんが腰掛けていたシーンもすごく美しかったですね。虹が入っているカット。
あのシーンは、宇野澤さんが少しずつディレクションを重ねて、あのかたちに辿り着いたのですが、
撮りながらずっと「綺麗、綺麗、綺麗」と感じていました。
撮影の中で、ダンサーが変化していく瞬間を捉えられるのは本当に楽しくて。あの時間はまさにそれを感じられた場面でした。
あのコーディネートの二人は、特に印象に残っています。
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バレエとファッション。
そのあいだに生まれる、新しい美しさの輪郭が見えはじめたセッション。
ゆるやかに重なりはじめた、ふたつの視点。
その続きは、後編で。
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今回、撮影およびインタビューにご協力いただいた井上ユミコさんがクリエイティブディレクションを手がける「POLA presents BALLET TheNewClassic 2026」の公演が、下記の日程で開催されます。
クラシックの伝統と格式を守りながらも、新たな視点でクリエーションされた、
まさに「BALLET TheNewClassic」そのものを体感できる舞台です。
Unosawaも、毎回楽しみにしている本公演。今回もチケットを手に心待ちにしております。
皆さまも、ぜひチェックしてみてください!
POLA presents BALLET TheNewClassic 2026
Schedule
◼︎日時
2026
7.30(THU)18 : 30
7.31(FRI)13 : 00 / 18 : 00
8.1(SAT)13 : 00 / 18 : 00
8.2 (SUN) 13:00
◼︎会場
新国立劇場・中劇場
〒151-0071
東京都渋谷区本町1丁目1番1号
京王新線「初台駅」中央口直結
https://www.balletthenewclassic.tokyo/
◼︎CAST and STAFF
クリエイティブディレクション:井上ユミコ(ALEXANDRE)
プロデューサー:堀内將平
出演:太田倫功、佐々晴香、ソ・ユンジョン、中島瑞生、中村祥子、南江祐生、三森健太朗、三宅啄未、横山瑠華、吉山シャール・ルイほか、国内外より計12名

Interview Direction & Text:Nana Okuda

